ペットを飼い始める際、多くの人が気になるのは毎日のエサ代や飼育用品にかかる経済的な費用、ペットの世話にかかる時間や労力、そしてペットが快適に過ごせるための環境を整えることですよね。このような点を考慮してみると、ハムスターはまさに飼いやすさ抜群のパートナーと言えるでしょう。
ハムスターのエサや飼育用品は比較的リーズナブルで、特別な費用がかかりません。また、犬のように毎日お散歩に出かける必要もなく、雨や雪の日に外へ出る苦労もありません。飼育スペースもさほど広く必要ないため、大きな小屋を準備する必要もありません。
さらに、犬のように近所迷惑になりかねない鳴き声を心配することもありません。でも、「ハムスターが鳴くことなんてあるの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんね。
ハムスターは普段、無口で大人しい動物ですが、実は「プスプス」といった独特の音で鳴くことがあるんです。この鳴き声は単なる音ではなく、ハムスターが何かを伝えようとしているサインかもしれません。
そこで今回は、ハムスターが「プスプス」と鳴くときの原因や、鳴き声に込められた意味について詳しくご紹介します。
ハムスターは基本的に鳴かない
まず、知っておきたいのが、ハムスターは本来鳴き声を出すタイプの動物ではないということ。自然界では、ハムスターは単独で行動することが多く、他の動物のように鳴き声で意思の疎通を図ったり、危険を知らせ合うこともありません。むしろ、鳴き声をあげることで捕食者に気付かれてしまう危険を避け、静かに身を隠すことで自分を守る習性があるのです。
ハムスターの強い縄張り意識は、特に匂いに現れることが多く、鳴き声ではなく匂いを使って自分の存在を示すことが一般的です。そのため、ハムスターが鳴き声をあげている場合、そこには何らかの理由があると考えられます。
ハムスターが「プスプス」と鳴く理由とは?
もしもハムスターが「プスプス」と鳴いている場合、まずはその状況を観察してみると良いでしょう。「プスプス」という音は、口からではなく鼻から漏れる音で、これは人間でいうところの寝言やいびきに近いものと考えられます。
寝ているときの「プスプス」は問題なし?
ハムスターが寝ているときに「プスプス」と聞こえる場合は、鼻の空気の通りが一時的に悪くなっている可能性もありますが、基本的には心配ありません。寝ているときにのみ聞こえるのであれば、軽い息切れのようなものと捉えて大丈夫でしょう。
興奮や喜びが原因?
また、エサをあげたり、手の上に乗せたときなど、特定のシーンでのみ「プスプス」と鳴くこともあります。これは、ハムスターが一時的に興奮していたり、喜びを感じていることが理由かもしれません。
人間でいうと、少しドキドキして息が上がっているような状態に近いものです。ハムスターは基本的に鼻呼吸をしているため、興奮して息が荒くなると鼻から「プスプス」と音が漏れることがあるようです。
注意すべき「プスプス」のサイン
ただし、気をつけてほしいのは、いつも「プスプス」という音が聞こえる場合です。頻繁にこの音が続く場合、鼻や気管など呼吸器系に何らかの問題がある可能性があります。
ハムスターが頻繁に「プスプス」と鼻音を鳴らしている場合、考えられる原因には以下のようなものがあります。これらは慢性的な鼻詰まりを引き起こし、鳴き声が続く原因にもなり得ます。
1. 風邪やインフルエンザなどの病気
ハムスターが「プスプス」と鳴き、鼻水が出ていたり鼻周りが湿っている場合、風邪の可能性が考えられます。風邪は小さなハムスターにとって深刻で、すぐに肺炎や気管支炎を引き起こすリスクもあります。また、インフルエンザもハムスターに感染することがあり、飼い主がインフルエンザにかかった際には、できるだけ飼育ケージを別の場所に移し、加湿器を使って部屋の湿度管理をしっかり行うことが予防に役立ちます。
2. アレルギー反応
風邪以外の原因として、アレルギー反応が考えられる場合もあります。この場合、「プスプス」に加えて、皮膚炎や結膜炎などの症状が出ることもあります。もしハムスターが慢性的に「プスプス」と鳴いている場合には、病気かアレルギーかを見極めるために、まず動物病院での診察を受けることをお勧めします。
3. 飼育ケージ内のダニ
ハムスターのアレルギー反応の原因のひとつとして、ケージ内のダニの発生が挙げられます。床材が濡れたまま放置されると、ダニが発生し、そのダニの死骸や糞によってアレルギー反応が引き起こされることがあります。清潔を保とうと頻繁に床材を全交換してしまうと、逆にダニが増えやすくなることもあるため、汚れた部分のみを定期的に交換するようにすると良いでしょう。
4. 床材の種類
床材に使用するチップが原因でアレルギーを引き起こす場合もあります。特に、針葉樹チップや、粉の多い廉価なチップは鼻詰まりの原因になりやすいと言われています。細かい粉が舞い上がりやすいチップを使用している場合、品質の良いものに変えてみるのも効果的です。
ハムスターに病気が疑われる時には、はちみつ水を与えることで体力回復に役立つ場合があります。

まとめ
ハムスターが「プスプス」と鳴き続ける場合、風邪やアレルギー、ダニの発生など様々な原因も考えられます。まずは鳴き声のタイミングやその他の症状(鼻水、皮膚炎など)をよく観察し、慢性的な場合には早めに動物病院で診察を受けましょう。
また、風邪やインフルエンザの予防には適度な湿度管理が重要です。加湿器を使って部屋の乾燥を防ぐとともに、ケージ内の清潔さを保ち、粉の多いチップやダニの発生に注意を払うことが、ハムスターの健康維持に役立ちます。